糸さんの夢ノート

生活を充実させるためのメモです。

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クロちゃんにちょっと会いたい



クロちゃんは男性で、私の元同僚、というかむかしの職場の先輩だった。

当時私は25歳くらいで、クロちゃんは37歳くらいだったと思う。

クロちゃん



職場では寡黙だったけど、みんなで飲みに行くと饒舌で面白キャラに変わった。

夜ふざけていても、翌日はいきなり真面目になるのがおもしろかった。

職場の仲の良い何人かで北海道旅行に行ったときは、クロちゃんはお酒も飲んでないのに昼間からふざけたり楽しそうにしていて、印象的だった。


私がインドに少し興味を持ったのは、クロちゃんの影響が大きい。

理由は忘れたけど、クロちゃんはけっこうな期間インドで暮らした経験があった。



インドの話をしてくれたときに、誰にも言ってなかった「私、ずっと自分を変えたくて。ガンジス川で沐浴をしてみたい。」とぽそっと言ったら、クロちゃんは大賛成してくれた。

「インドの女の子一人旅って意外に安全なんだよ。」と言われたのを覚えている。当時の私はまだ「女の子」だった。

ガンジス川はきれいな川じゃない。

よく知られているように生活排水、トイレ代わり、死体処理などにも利用され病原菌がウヨウヨしている川だ。

もし私が実際行けたとしても膝くらいまでしか入れない気がする。



それでも行ってみたい気持ちはいまもある。



その後、クロちゃんは結婚して女の子のパパになった。そして異動した。



ある日、突然の知らせがあった。

「クロちゃんが亡くなった。」

朝の日課のジョギング中に発作を起こし、道端でそのまま亡くなったと。

私はクロちゃんが道端にうずくまって苦しんでいる姿を想像して胸が痛かった。想像するといまも痛い。



そして、ひげ面で笑うと一気にかわいくなるあの顔を思い出した。


葬儀では泣いている奥さんと何も分かってない小さな娘さん。

ただでさえ語彙が貧困な私には掛ける言葉も見つからなかった。



葬儀にはインド人の友人も駆けつけていた。


日々新鮮に



あれから何年経ったかな。

私は、クロちゃんの享年をとっくに飛び越えた。

毎年、もらった年賀状は一年経つと整理という名の処分をするけど、クロちゃんからもらった年賀状はいまも捨てられない。



平成8年元旦の年賀状。

「新鮮」って言葉をクロちゃんが書いてるのが新鮮で印象的で捨てられなかった。

捨てなくてよかった。

この年賀状を見るたびに、「私も日々新鮮に生きたい。」と改めて心に思う。